今日も広報担当者はよく喋る

BESPOKEに使用するベース車体として、最も頻度が高いのがROCKETです。

今年の春頃にコンセプトバイクとしてROCKET CONCEPTを公開し、今後の展開をどうしようか考えていたのですが、溶接部のスムージングを行ったフレームは今までのROCKETとまた異なる風情がありますので、今後、生産する車体は基本的にはスムージングを施します。

スムージングを行ったフレームは12月末から年明けにかけて出荷を開始する予定です。

溶接スパッタの無骨な雰囲気を好まれる方もいらっしゃると思いますので、処理前のフレームをご希望の方はお気兼ねなくお問い合わせ下さい。

さて、ROCKETのフレーム手直しをする上で、せっかくなので新色を出そうと思いカラーサンプルを製作しました。

以下の写真はストックフレームを塗り替えた車体です、フレームのディテールは現行のままなのでご注意下さい。入荷する車体のディテールはCONCEPTモデルをベースとします。

カラーは初期型のMISSILEに使用したカラー(Lava Gray)と同一のものです。

フレームの下地処理が当時とでは異なりますので、発色に多少の違いがあります。

もちろんBESPOKEでのカラーや仕様の変更も承ります。

BESPOKEに限らず、良質な自転車を購入される際は、感覚的に惚れる事ができるモノを手にされるのが良いでしょう。

良質な自転車は多くの方にとって、人生の中でも高い買い物の部類に入るはずです。

そこで何を選択するかで、その人物の根幹が見えてきます。

住居、車、時計、旅のスタイルと並んで、所有する自転車もまた人を表すのです。

高級外車もあればコスパに特化した自転車もあります。

最終的にはどれが良くて何が悪いか、ではなく自分がどう在りたいか、が大切です。

一番の悲劇は、自身の価値観に合わない物を手にしてしまう事でしょう。文字や言葉にするのは簡単なのですが、実際には多くの方が雑音に振り回されています。

理性的な判断をすると大体の場合、コストパフォーマンスに優れている製品を手にします。

そういった製品は手にした瞬間は賢い選択をした安心感に包まれるのですが、時間の経過とともに気持ちが冷めてしまう一面も持ちます。計画的に陳腐化させるビジネススタイルだからです。

永く愛する乗り物をお探しの方にとって、コスパを追求した製品を手にされるのは悲劇の始まりです。それは、その後も新製品情報に振り回される人生の始まりを意味します。

それはそれで楽しいのですが、ある程度の年齢を重ねてくると問題が出てきます。落ち着きのない人物に見えてしまうからです。

また、理性的な決断は個性の消失に繋がるワケでして(理性的な選択に偏差は小さい為)、スタイルの構築という観点から、理性的な判断はオススメ致しかねます。

最新の物をなるべく手頃な価格で味わい続けたい方、異国の情緒を物を通じて感じたい方、それぞれにあった製品を選択する事が幸せな結末へと通じます。

さて、ではROCKBIKESはどのような方に乗って頂きたいかと申しますと、既存にあるマーケットの価値観以外の何かを自転車に求められている方の為のメーカーです。

私自身が業界の空気や慣習とは相性が悪かったのでROCKBIKESを始めたのですが、業界の提案する自転車の魅力とは違う価値を自転車に見出しています。ちなみにメーカー名はその辺りの感情に由来しています。世間様のおっしゃる『正しさ』とは違う方向で自転車メーカーを運営していますので、知らない間に摩擦が起こっている事が日常の一部ではございますが、摩擦が無い所に熱は無いと考えていますので、結果として何かしら世間様に貢献できているのではないでしょうか。知らんけど。

一般的に、メーカーは自転車の楽しみ方までをマーケットに提案をされているのですが、弊社は自転車を楽しむスタイルはオーナー様のご自由にどうぞ、というスタンスなのです。文化的に成熟したオーナー様にアレコレ申し上げるのは野暮ですし、よく分からない同調圧力からオーナー様を守る事さえ出来たら、メーカーとしての役割は果たせていると思います。

どのようなスタイルで、どのように楽しまれようとも、自転車は道具でしかありませんので、自転車がオーナー様のスタイルを決めるのではなく、オーナーが自転車をどう使うかを決められるのが最良且つ最高です。

弊社の通常ラインアップでオーナー様の欲望を満たせない場合はBESPOKEプログラムがございますし、とりあえずカッコいい自転車をお探しならストック状態からお楽しみ下さい。物足りなくなってから考えても、遅くはありません。

自身のスタイルを貫く生き方は、同調圧力の強い現代社会に於いては容易ではありませんが、コスパに溢れた商品や高級外車では味わえない、特有の優越感を道連れに街を疾走できます。その時間は何事にも代え難く、一人の人間としての尊厳を取り戻しながら、素の自分の新しい側面を見つけられる時間です。

古より人類はカッコよさを目指して生きてきました。

最近は、定型文として確立されているスタイルをどう効率的に取り入れるか、つまりスマートさがかっこよさの主流になっていますが、流行りものばかり追いかけている人物が持てる魅力の期間は残念ながら永くはありません。

自分なりの新しいカッコよさを模索した人物だけが、時を超えるカッコよさを持ち得るのです。

スタイルを追求するあなたの傍に、ROCKBIKESをどうぞ。