メンテナンスを楽しむ

良質な自転車の楽しみ方は、購入する、乗る、鑑賞、カスタムする等がありますが、他にも維持する楽しみもございます。

メンテナンスフリーである事が高品質の証であると思われる傾向の強い世の中ですが、上質なホビーの世界に生きる人は、維持する楽しみをご存知のはず。

カメラ、時計、乗り物、ブーツ等の中でも、真の意味で良質でtimelessなモノ程、いちいち手間がかかるものです。

先日、大阪店でROCKETをオーバーホールするご依頼を頂きました。

乗り始めてから2年ほど、走行距離は15,000キロを超えられ、駆動系以外にも消耗が見られます。

ブラケットのフードは中々の劣化ぶり。

スプロケには摩耗と錆びが。

サドルは良い味が出ています。

オーバーホール時に駆動系のアップグレードをされる方が多くいらっしゃいますが、現在のグレードで不満は無いとの事ですので、駆動系は消耗したパーツの交換のみを行いました。

何回かメンテナンスに持ち込まれている車体なので、大きなダメージは無く、各所グリスの入れ替えや多少の消耗品交換、洗車、コーティングを施します。雨天時で多く使われる車体なので、グリスの種類をストックから水分と衝撃に強い物に変更しました。

味の出たサドルは、ワンオフの表皮での張替えか新品交換かで最後まで悩まれましたが、同形状の異なる仕上げの表皮を選択されました。表皮の張替え等、メーカー直系の店だからこそ出来る事がございますので、お気兼ねなくご相談ください。

ハンドルはENVY CONCEPTをご覧になられて、同じ形状を希望されたので下ハン部分をカットしました。この車体は通勤で使用されており、下ハンを持つことは無いとの事です。機能的には引き算ですが、アグレッシブなルックスを手に入れる事ができます。

ZIGGY 森重さんがデザイン監修されたTシャツと共に納品しました。

オーバーホールにかかる費用はメニューによって変動幅が大きいので、ご興味のある方は大阪店原宿店もしくはHOUSE OF ROCKBIKESまでお問い合わせ下さいませ。

冒頭でも述べましたように、自転車の楽しみ方は多岐に渡りますが、それをどのように楽しむかで、ちょっと良い趣味を持っているように見せる事が出来るツールでもあります。

良質な自転車を購入するだけでなく、上質な楽しみ方を実践する事で、自転車がもたらす効果はさらに広がるのです。