モノと向き合う

自転車を趣味とする上で、メンテナンスは必要不可欠です。

このメンテナンスを後ろ向きに捉えられる方が意外に多く、メンテナンスフリーの物を好まれる方が大多数でしょう。かく言う私も、身の回りの物、全部に頻度の高いメンテナンスが必要になりますと、流石に疲弊してしまいますが、趣味に関しては手が掛かるモノが可愛いと思ってます。

自転車だけでなく、車、楽器、ゴルフ、カメラ、時計など、私を構成しているモノは大体、手間がかかるものばかりです。今の世の中、手のかからない車などが当然主流でございますし、最先端の快適性の良さも理解した上で、敢えて面倒なモノを身の回りに置いております。そういったモノをカッコいいと思っている為、です。維持が簡単な物はそれはそれで便利で良いのですが、時間の密度もしくは味わいが薄く、興味もすぐに薄れていきます。

世の中には器用な方もいらっしゃれば、そうで無い方もいる。その為にプロがいる訳なのでが、あまり器用でないからといって引け目を感じる必要はございません。自信を持ってできる範囲の事をされるだけで、モノはそれに応えてくれます。自転車業界だけでなくホビーの世界には、手先が器用なのを理由にマウンティングを取りたがる人々が多く見受けられますが、それこそ無粋と言う物で、何よりも尊いのは自分の惚れたモノを永く愛する姿勢です。手を動かさなくとも愛情を注ぐ事で、良い時間をお過ごし頂けます。

自転車に関しては、おそらくメンテナンスに対する一般的な基準点がママチャリにありますが、スポーツバイクは有難い事に手がかかります。メンテナンスの頻度に関しては色々な考え方がありますが、点検の頻度は高くて損はございません。また定期的なオーバーホールも必要となります。費用はそれなりにかかりますが、悪い状態で使用しますと加速度的に消耗しますので、早めに対応しておくのが永く付き合うコツです。オーバーホールするよりも、新車を買う考え方もありますが、そこはそれぞれの生き方次第でしょう。いつも最新の物に囲まれるのも幸せの一つの在り方です。

技術革新が進んでいる昨今で、モノに惚れ込んで生きていく人生は、相当にままならなく感じます。上記のメンテナンスの問題だけでなく、消耗部品の問題、トラブル発生時の問題、維持にかかるコストの問題など、今の世界において不必要とされる問題が、先の人生に山積しております。非常に難易度の高い生き方であるのは間違いございません。しかし、この生き方を実行しなければ見られない、知ることが出来ない物事が多くございまして、そういった生き方を貫いていらっしゃる方には魅力的な方が多くいらっしゃるのも事実なのです。こういった方は不要なトラブルを多く経験していらっしゃいますので、トラブルを回避し続けている人生と比較致しますと、スマートではございませんが、積み重ねた経験を由来とする色気をお持ちです。

敢えてままならない趣味に挑んでいく人生は、最高にチャレンジングでエキサイティングだと思いませんか。